【えせほし─似非星─ 】 kyo-ko

『瞳を閉じて』



見つめられることには慣れていない。
そして、それ以上に、誰かをまっすぐ見つめることにも。

それでも、あんたはいつもオレに言うから。
話している時はこっちを見ろ、と言うから。

必死に、こんなに努力した事なんてないくらいに必死に、
オレはあんたの目を見る。

もう話の内容なんて耳に入らない。
ただ、オレを見つめるあんたの目に耐えるだけで。

オレの心の中、魂までも引きずり出すような目で見つめられると、
いったいどうしたら良いか分からなくなる。


目を逸らしたい。
…でも、逸らしたら負けになる。

そんな時、オレは頭の中で数を数える。
1,2,3,4…。

昨日は12までだった。
今日は21まで数えられた。


そして、オレは敗北するのだ。

心の中で白旗を掲げつつも、精一杯の抵抗の証に、
目を逸らすのではなく、瞳を閉じる。

…また今日も。


          おわり

ここまで読んで下さってありがとうございましたm(_ _)m

すみません。妙なポエムが出来上がりました(苦笑)。
行は見つめられることにも、
見つめることにも、
慣れていないだろうなぁと思って。
それでも負けすぎですよね(笑)。

そして目を閉じちゃったら、次はどうなるか…。
ええ、もう、お約束で。

2005.03.01

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