『 休日の彼 』




「ねえ、御剣」
「何だね」
「なんだか顔色が悪いよ。最近ちゃんと休んでる?」
「ムロンだ。休日は取っている」

「本当かなぁ。正直に話してよ。僕はお前が心配なんだよ」
「……君に心配される理由など無い」
「理由ならいくらでもあると思うけどね。
 まぁ良いや、休んでいるって言うなら。
 ちなみに休みの日はどんなことをしてるの?」

「ふむ、そうだな。溜まっている書類の整理をしたり、
 過去の判例を見直したり、
 興味深い裁判の傍聴に行くこともあるな」
「それ、全部仕事絡みじゃないか」
「ム……、それはそうかもしれないが」

「休日ってそういうモノじゃないだろ。
 仕事を忘れて、心身をリフレッシュさせるんだよ」
「だが、他に何をすればいいのか……」
「そうだ。何か趣味はないの? えーっと、トノサマン以外で」
「と、トノサマンは趣味というワケでは」

「今更隠さなくても良いよ、そんなの。
 それよりも例えばスポーツとか、やってる?」
「特には無いな」
「ダメだよ、そんなんじゃ。
 今度、僕と一緒にサイクリングでもどう?」

「自転車……、乗れるだろうか」
「子供の頃に乗れていたんなら平気だよ。
 ああいうのはカラダが覚えているものだからね」
「あまり自信はないが……、そうだな。
  少しカラダを動かした方が良いのかもしれない」

「そうそう、運動は大事だよ。
 ちなみに今すぐにでも始められる、
 手軽で楽しいオススメの運動があるんだけど、やってみる?」
「それは興味深いな。どんなモノかね?」
「簡単だよ。それじゃ、さっそく実践してみようか。
 ソファの上でも出来るけど、やっぱりベッドの方が良いよね」
「……ベッド……?」

「汗を掻くから代謝も良くなるし、肌もつやつやキレイになるらしいよ。
 それに何よりもストレス発散になるからね」
「……そう言いながら服を脱ぎ始めているのは、どういうことだ」
「もちろんハダカでする運動だからね。
 ほらほら御剣も脱いで。それとも僕が脱がせてあげようか?」
「い、異議あり!」



           おわり

 
読んで下さってありがとうございます。

御剣さんの趣味って何だろう?
と考えていたのですが、特に思い付かず。
きっと仕事が趣味なんだろうな、と。

あまり運動をしているイメージもないんですよね。
こっそりジム通いとか?想像付かん……。
でも結構良い体をしているので、
やはり鍛えているのでしょうか。

うーん、でも泳げそうな感じもしない……。
運動も器具を使ったりするのは苦手で、
ただひたすら走るだけなら出来るとか?
なんか鈍くさいイメージなんですよね、スマン。

2013.08.05

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